キラリと光る関川村民(稲葉かおるさん)
「キラリと光る関川村民」のお二人目として紹介させていただくのは稲葉かおるさんです。
4年前に大石集落に家を建てて、ご主人の充(みつる)さんと栃木県から移住してきました。関川村愛にあふれるご夫婦で、かおるさんは元小学校の先生で植物をこよなく愛する素敵な方です。
1 村に移住したきっかけは?
大石のどもんこまつりが始まった頃から、夫婦で関川村に通うようになりました。大石の山登りの達人だった高橋賢吉さんと仲良くなり、多い時は毎週のように通って、ガソリン代、高速代や時間などを考えると移住した方がいいねとなりました。
子供の手が離れたこともあり早期退職して移住しようと土地を探して4年前に家を建てて大石に移住してきました。夫とは新潟大学で知り合い、地質が専攻だった夫の卒論のテーマが関川村の地質だったので、大石ダムが出来てすぐの頃に初めて一緒に村に来ました。
2 山登りのほかの趣味は?
子供の頃、栃木県の那須高原の麓に住んでいて山登りというよりハイキングが趣味で、歩きながら植物を見て調べていました。その頃から使っている「牧野新日本植物図鑑」を今も大事に使っています。
(※冒頭の写真で抱えている本です。インタビューの日も、春の大石ダム湖畔公園周辺を散策しながらいろいろな植物の名前を教えてもらいました。)
それから、イザベラ・バードという明治時代に日本を旅したイギリス人の女性のことが大好きで、東京~春日部市~栃木市~日光~西会津と旅した経路がちょうど私達夫婦が栃木から関川に通っていた経路と一緒で、旅行記の中で「どこどこの峠でこんな花が咲いていた」という同じ場所で同じ花を見るととても不思議な感じがします。
イザベラ・バードは大里峠も牛に乗って通っていますが、折しも大雨だったので関川村はあまりいい印象ではなかったようです。
山登りについては、6月くらいから年間40日くらい山に入っていて、えぶり差岳は年3~4回登っています。
3 関川村のいいところは?
関川村はすべてが豊かです。人も自然も山の恵みも。関東は山が「カラカラ」していますが、関川の山は「しっとり」していて植生がとても豊かだと感じます。
今年、関川村スイーツ研究会でやった山の恵みの象徴のような「栃ねへ(栃の実を食べれるように加工すること)」も栃木にいた時からやっていました。作るときに使う灰汁も大石の人から教わったナラの木を燃やした灰汁を使っています。我が家の前に積んである薪ストーブ用の薪は全部ナラです。
4 関川村に住んで不便なところは?
特に不便は感じません。車で買い物も行けますし、タビット号という移動販売車も集落に来てくれます。魚屋さんも金曜日に車でお刺身などを販売してくれるので、我が家では金曜日をお魚の日にしています。
歳をとって運転ができなくなることを考えると、村のデマンドタクシー「えぶり号」がもう少し使い勝手よくなればなあと思います。
雪も確かに大変ですが、それ以上の自然のよさがあると思います。
屋根は家を建てるにあたって自然落下式にしましたし、家周りに落ちた雪も井戸水で溶かすように工夫しています。
5 関川村がこれからどうなってほしいですか?
村に仕事があってここに住んで生計を立てられればいいので、農業や山の仕事でもあればいいですが、今の時代のようにリモートでもできる仕事があるので、私たちの娘夫婦も山形県に住んでそのような生活をしています。
デザイナーとか芸術家のような職種の人なら、興味をもって自然豊かなこの村に住んで、いろんなアイデアやひらめきが生まれるのではないでしょうか?
~後記~
かおるさんから自宅の庭の芝桜にやってきた写真をいただきました。
調べてみると、ギフチョウは日本の本州の里山に生息していて近年の里山の開発や放棄で数が減っている貴重な蝶でした。その蝶が庭にも遊びに来る大石集落の自然の豊かさを感じさせてくれます。
(関川村移住定住サポーター)