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キラリと光る関川村民(藤田寛己さん)

 今回、「キラリと光る関川村民」として紹介させていただくのは令和6年8月にオープンした「関川る~む」でコーディネーター(地域おこし協力隊員)として新発田市から移住して活動している藤田寛己(ふじたひろき)さんです。

【関川る~む外観】


1 「関川る~む」の特色はどんなところですか?

 「関川る~む」は子ども家庭庁の補助金を活用した子どもの居場所として始まりました。旧大島保育園の施設を改修して学校に行きづらくなった子どもの居場所だけでなく、学校帰りの子どもが宿題したり遊んだりする場所、小さなお子さんのいるお母さんたちの集い場、地元の人がコーヒーを飲んで語らうカフェとしての憩いの場などのいろんな面を持っている居場所です。

【る~むカフェの様子】

 保育園だったのでたくさん部屋があって、映写会が開ける「シアターる~む」、ドラムやギターなどの楽器を演奏できる「スタジオる~む」に加えて、11月からは、近所の方から無料で提供したもらう野菜やいらなくなった小物などを販売する「まいどる~む」という部屋もできました。
 子どもが物を並べたり、値段をつけたりと、「〇〇やってみたい」ということを積極的にやってもらうようにしています。

【ドラム演奏もおてのもの】

  保護者からは、学校が終わって帰って来ても近所に遊ぶ子供がおらず、ゲームかテレビしかなかったけれど「関川る~む」ができてからは、子ども同士で遊べるようになってありがたいとの声もあり、元気に走り回っている姿をみると私も元気が出ます。 

【遊びにも真剣に向き合う】


2 カフェに大きな薪ストーブがあって暖かそうですね。

 薪ストーブは、ご近所の方から譲っていただきました。
 子どもの体験学習として薪割りをして、薪をたくさん建物の周りに積んでいますが、1年くらい乾燥させる必要があるので、今年割った薪は来年の冬用のものです。ストーブが大きくて部屋も広く、暖めるのに毎日たくさんの薪が必要になるので、ご近所からいただいたりしています。

【揺らぐ薪ストーブの炎】

 薪ストーブの柔らかい炎の周りには人が寄ってきてみんなが笑顔になって、子どもたちとサツマイモやお餅を焼いたり、手作りしたピザ窯でピザを焼いたりと、他の「子どもの居場所」とはちょっと変わっていますが、子どものいろんな楽しみを引き出せるところがいっぱいあるのが「関川る~む」の特色だと思います。

【ピザ窯のデコレーション体験】


3 来年度からは通信制の高校を始めると聞いていますが。

  4月から島根県にある明誠高等学校の通信制のサポート校として開校する予定で、今、開校に向けた準備を進めています。近隣市町村の中学校や高校にも説明に伺ったり案内を送っています。
1月19日(日)と2月2日(日)には現地で説明会を開催する予定にしていますので、関心のある方は、ぜひおいでください。

【通信制高校が開校します】

 現在、全国では通信制高校に通う生徒が増えて来ていて12人に1人が通信制高校に通っていると言われています。「関川る~む」では、履修する単位のレポートの提出をサポートしたり、従来の通学する高校では体験できない体験学習を取り入れる予定です。
 高校を途中で通えなくなってしまった生徒に対しては、中退してしまうのではなく通信制高校に転入することで、今までの単位を引き継ぎながら、今度は自分のペースで高校卒業に必要な単位をとることを支援するというものです。
 実際に運営している他のサポート校に聞いても、毎日来る生徒もいれば週1回という生徒もいて、それぞれの生徒のペースに寄り添ってあげられるかどうかが鍵だと思っています。
 

4 通信制高校がどのようになってほしいと思っていますか。

  通信制高校は子どもの居場所の延長線にあると思っています。
 「関川る~む」では、学年が違っても一緒になって遊んだり、中学生が小学生に教えたり、兄弟のいない子どもが、お兄さん・妹ができたかのように一緒になって何か体験するということはとても大切なことだと思います。

 通信制高校として「まなびる~む」という教室は設けていますが、そこで小学生が宿題したり、ゲームをしたりと型にとらわれない居場所が、生徒の心を楽にしてくれるのではないか、そういう意味で ”家族のような” 場所を作り上げれればと思います。
 山に囲まれ自然豊かで、昔から伝わる手仕事や慣習もたくさんあり、そういう関川村ならではの様々な体験学習も取り入れていきたいと思っています。「る~むカフェ」の店員も職業体験の一環として生徒に取り組んでもらったり、新しいことへの挑戦を支援したいです。


【様々な体験イベント】

 因みに、通信制高校サポート校の名前は「令和関谷学園」といいます。
 これは戦後に新しい教育制度を作り出すために、実験校としてただ一つ関川村(旧関谷村)に作られた学校が「関谷学園」であり、関川村が六三三制発祥の地といわれるのはそのためです。
 その精神を引き継いで、今の多様性が求められる新しい教育の形の一つになれば面白いと思っています。

【六三三制の実験校関谷学園】

 ~後記~

 藤田さんはギターが趣味で、自由に楽器を演奏したりカラオケで歌が歌える部屋があったらいいなと「スタジオる~む」ができました。
 「子どもたちの〇〇したい」を叶えらえる場がこの「関川る~む」であってほしいです。ここでは藤田さんは「店長」(カフェの?)と呼ばれていて、常に小学生が「遊ぼうよ」と絡んできます。
 「関川る~む」では、イベントのお知らせや日々の活動の様子をSNS(インスタグラム・フェイスブック)で発信しているので、検索して覗いてみてください。
(関川村移住定住サポーター)